「――イギリスが宇宙計画に着手している事実はない。私の中の皮肉屋は、宇宙計画が実行に移される日は来るのだろうかと疑っている」 「――だが、夢はみることはできる」 ――『女王陛下の航宙艦』著者 クリストファー・ナトール(1982~) 本書冒頭にて。 プリデイン王国首都リンディン、ホワイトホール官庁街。ニュー・ウェストミンスター議事堂庶民院本会議場(ザ・コモンズチェンバー)。人類標準時午前十時一分。 王国議会は解散総選挙前の議事一掃(ウオッシュアップ)期間に突入していた。にも関わらず、その日、庶民院(下院)全院委員会は大荒れだった。 「――ですからバンクーバー条約体制の見直しを行うべきなのです。連邦の本来の姿である緩やかな国家連合への回帰をですね」 「――そうなると、加盟国の統一された外交・安全保障・財政・金融政策がバラバラになる事でしょう。それは実質的な解体に他ならない」 「――キャメロン議
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く