人間関係における陰鬱でジメジメした部分を京アニ迫真の美麗アニメーションで包んだ映画。 音大推薦のくだりから二人のすれ違いが決定的に言葉に表された理科室、そしてハッピーエンド“風”のEDまで、終始胸の詰まるような思いで鑑賞した。 リズの心情を理解して自力で(意図していなかったにしろ)鳥籠を飛び出してみせたみぞれと、飛び立つ彼女を見て半ば投げやりに自らの進路を悟る希美の間に開いていく距離が印象的だった。劇中希美は「どうして私に鍵の開け方を教えたのですか(うろ覚えにつき間違ってたらごめんなさい)」とつぶやくが、結局希美は鳥籠の鍵を開ける役割すら割り振られていなかったように感じる。冒頭でみぞれ目線で描かれた「舞台に立つ主役2人」という関係性が「舞台に1人立つみぞれを客席から眺めている(ことにやっと気付いた)希美」に変わっていくのを見ているのが一番辛かった。 希美が1年生のときに突然退部したのもみぞ