落日の工藤会 トップ極刑判決 市民を襲撃したとして、特定危険指定暴力団「工藤会」のトップに死刑が言い渡された。警察の「壊滅作戦」が始まってから7年。異例の捜査と公判、地域への影響を検証する。
どうする 明日のエネルギー 2050年、温室効果ガスの排出量を実質ゼロに―。政府の意欲的な目標にリアリティーはあるのか。今夏に改定される「エネルギー基本計画」を巡る議論を通して考える。
高島市長、夏休みの移動は「自粛お願いにすべき」 知事会の「原則中止」に疑問呈す 2021/8/3 6:00 福岡市の高島宗一郎市長は2日の定例記者会見で、全国知事会が夏休み中の県境をまたいだ旅行や帰省の原則中止・延期を求めたことについて、旅行を中止した場合のキャンセル料を念頭に「補償の問題や、それぞれの家庭の事情がある。中止ではなく、自粛をお願いするところではないか」と疑問を呈した。 高島氏は、移動を制限することによる一定の効果に理解を示しつつも「要請が強ければ強いほど、守っていない人に対して許せないとの思いが強くなる。非難を厳しくするような風潮にせず、思いやりの気持ちが大事だ」と述べた。 また、知事会が国への緊急提言に盛り込んだ外出を厳しく制限するロックダウン(都市封鎖)のような手法の検討に関しては「ロックダウンした場合の補償を議論してこなかった日本ではできない」と否定的な見方を示した。
NICHE-MEN(ニッチメン)-オレの仕事、アウトですか?<4> 圭輔(27)=仮名=が経営するゲーム会社には、表の顔と裏の顔がある。正式に公表している業務は、家庭用ゲーム開発の孫請け。世間に大っぴらにしていない顔は“18禁”のゲーム制作だ。「従業員の家族に見せるわけにはいかないから」。自身も親きょうだいには内緒にしている。 手掛けてきたのは、アニメ調の美少女と会話し、疑似恋愛のシナリオを進めていくに従って「ごほうび」が待つタイプのゲーム。ただ、自身はこの種のゲームは「苦手。僕が作ると思わなかった」とも言う。それでも作るのは、CGを大量に使うわけではないため、従業員数十人規模でも手が出せるからだ。「規制が緩く、自由に作れる。アダルト目的のプレーヤーを感動させることもできたら、してやったりでしょ」。当てればでかいジャンルだ。家庭用ゲームへ移植されることもあれば、アニメ化、映画化の可能性だっ
今年8月、福岡市・天神の真珠販売店。女(30)がカッターナイフを店員に向けて現金を脅し取ろうとした。結果は未遂。恐喝未遂と建造物侵入の罪に問われ、福岡地裁は21日、懲役1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年2月)の判決を言い渡した。新型コロナウイルスの影響で解雇され、路上生活を経ての犯行。相談は恥だと思っていたという。コロナ禍は弱い立場の人ほど追い込んでいく。福祉、行政は頑張りどころにきている。 判決によると、被告は8月20日昼、店員の女性にカッターナイフを向け「お金を出してください、切りますよ」と脅迫。通報するそぶりに逃げ出した。判決理由で加藤貴裁判官は「被害者に相当の恐怖心を与えた」と指摘する一方、犯行直後に自首したことなどを踏まえ、執行猶予とした。 公判での被告人質問などによると、物心がついた時には「九州北部の施設」にいた。中学卒業まで施設で過ごし、飲食店での勤務を転々とした。当時から
拡大 自立支援業者の下で寮生活を始めた直後に長男から送られてきたメッセージを読む母親。「積極的に会話できるようになった」「父さんと母さんに感謝してる」と前向きな言葉が並ぶ=5月、福岡県筑後地区(写真の一部を加工しています) 全国に100万人以上いると推計される引きこもり。同居する親が世間体を気にして相談できず、適切な支援にたどり着けないケースは少なくない。福岡県筑後地区では、両親が6年前から引きこもっていた長男(30)を民間の自立支援業者に預けたが、長男は昨年末に姿を消し、遺体となって発見された。「一体どうすればよかったのか」。両親は自問自答を続けている。 「家に帰りたい」。昨年11月、愛知県内の自立支援業者に預けていた長男から母親(52)に電話があった。長男は1年前から業者の寮で他の引きこもりの人たちと共同生活をしながら、青果市場などで働いて自立を目指していた。再会した際は疲れ切った表情
熊本大は1日、学生の奨学金の受給手続きを怠り、それを隠すため文書を偽造したなどとして、30代男性職員を諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。処分は3月18日付。男性職員は同月末に退職した。 同大によると、元職員が奨学金手続きを担当する部署に勤めた2016~18年、延べ約280件の不適切な事務処理を確認した。 元職員は学生に無断で、奨学金の受け取りを辞退するうその書類を偽造。大学の公印を押し、奨学金の運営団体に提出していた。19年4月、別の職員が学生に書類の内容を確認したところ、不審な点があったため発覚した。他に、奨学金の手続きを放置したことによる支払いの遅延が4件あり、決裁書類の破損や紛失などもあった。 大学側の聞き取りに対し、元職員は「仕事を放置したことを隠したかった。学生には申し訳ないことをした」と話したという。 (長田健吾)
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府は「要請」の名の下に日常生活や企業活動に関わるさまざまな自粛を国民に促している。本来は法的根拠のない「お願い」にすぎないが、自治体が全国ほぼ横並びで一斉休校に応じるなど、政府の「要請」は強制措置と同様の効力を発揮する。しかも過剰自粛で社会的影響が生じれば、政府は「強制はしていない」と逃げられる。都合のいい「要請」は根拠も責任も曖昧なまま、長期化の様相を帯びる。 「政府の要請がきっかけでイベントに批判的なムードが広がっている。主催者だけに判断を委ねられるのはつらい」。福岡市内で劇場を運営し地域イベントにも携わる石川鉄也さん(51)はこう漏らした。 安倍晋三首相は20日、大規模イベントの開催について引き続き主催者に慎重な判断を求めた。中止勧告ではなく、あくまでも自主的な見送りを促す手法。石川さんは「どういう状況なら開催してもいいのか、客観的基準を示し
政権の「終わりの始まり」? 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、安倍晋三首相が27日発表した全国の小中高校などの一斉休校要請。唐突に見える意思決定の舞台裏を探ると、官邸が一丸となっていた従来の安倍政権の危機管理対応と様子を異にし、首相と最側近の官邸官僚だけで判断した経緯が浮かび上がってきた。 「大臣や各省の次官と私の部屋で相当、時間をかけて協議をした」。28日の衆院予算委員会で休校要請の経緯を問われた首相は、熟議を重ねたことを強調した。だが、実態は違ったようだ。 複数の関係者の話を総合すると、政府が新型コロナウイルス対応で学校の一斉休校案の検討を始めたのは2月中旬だった。 感染経路がはっきりしない「市中感染」とみられる患者が各地で確認され始めたため、通学中の感染リスクから子どもを守り、交通機関の混雑も緩和する企図があった。首相と気脈を通じる萩生田光一文部科学相らが発案し、省内でシミュ
徹底調査報道「ひずむ郵政」 【早稲田ジャーナリズム大賞受賞】「不正が横行している」。内部告発を受けて始めた調査報道は、郵政3社のトップを引責辞任に追い込んだ。関係者からの情報提供は1千件を超える(随時更新)
人口減と少子高齢化による人手不足を背景に、日本で働く外国人が増え続ける中、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の最新(2015年)の外国人移住者統計で、日本への流入者は前年比約5万5千人増の約39万人となり、前年の5位から韓国を抜いて4位に上昇した。OECDの国際移住データベースから判明。日本が事実上の「移民大国」であることが浮き彫りになった。日本語教育の推進など定住外国人の支援策が急がれる。 国際移住データベースは、世界約200の出身国・地域別に1年間のOECD加盟35カ国への外国人移住者を集計している。日本への移住者は「有効なビザを保有し、90日以上在留予定の外国人」を計上しているという。 15年のトップ10は(1)ドイツ(約201万6千人)(2)米国(約105万1千人)(3)英国(47万9千人)(4)日本(約39万1千人)(5)韓国(約37万3千人)(6)スペイン(約29万1千人
「命の危険感じる」近隣住民襲う竹林 相続の80代、資金が底…管理に限界 放棄は法で認められず 2018/5/4 6:00 (2022/12/8 12:12 更新) [有料会員限定記事]
山崩れがあった大分県中津市耶馬渓町では、ここ数日、まとまった雨は降っていなかった。なぜ大規模な土砂崩れが起きてしまったのか。地盤工学の専門家は、地下水の影響や、火山性の地盤の風化が原因ではないかと指摘している。 11日午前、本社ヘリで上空から現場を見た福岡大の村上哲教授(防災地盤工学)は、崩れた山の斜面に水が湧き出ていたり、水が流れたりしていることに注目。「山がため込んだ地下水のため、土砂崩れが起きたのではないか」と話す。地元の建設会社幹部(41)によると、現場周辺は水がたまりやすく地盤が緩いことが、地元の建設関係者の間で知られていた。村上教授はさらに、現場付近は山頂が平らで、水がたまりやすい崩積土(ほうせきど)の斜面だと分析。急斜面のため崩れやすく、岩盤との境に沿って滑り落ちたとみられるという。 大分地方気象台によると、土砂崩れがあった中津市耶馬渓町のアメダスの観測地点でまとまった雨が降
九州大の辻健准教授の研究グループは20日、熊本地震後、熊本県阿蘇市内の内牧温泉街で温泉水が止まったメカニズムを突き止めたと明らかにした。液状化が起き、地下50メートルの地層が水平方向に横滑りしたため、温泉水をくみ上げる井戸が壊れたのが原因。田んぼでの自噴や湧き水の発生も、この水平滑りが引き起こしたとみられるという。メカニズムをまとめた論文を20日付の英科学誌に発表した。 研究グループは地震直後から昨年10月まで、内牧温泉の14カ所で調査。うち温泉が止まった5カ所の井戸にカメラを入れたところ、深さ50メートルの地点でパイプが曲がったり、破損したりしていることが判明した。 この地点は地熱貯留層にあたり、石や泥など液状化しやすい地層。地震動によって液状化が発生し、地層が水平に約1メートルずれていたことを確認した。横ずれに伴って井戸が壊れ、温泉水をくみ上げることができなくなったという。 内牧
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