大学数学へのかけ橋! 高校数学+α:基礎と論理の物語 宮腰 忠 2011 年 8 月 24 日 始めに ある年の最初の授業は遅刻者が多く,彼らを待つ間,基礎的なことの話でも するかと,負数の演算について話し出しました.“マイナスのマイナスはプラ ス”,“負 × 負は正”だね.な∼ぜ(何故)だ.その日はそれらを解明するつも りはさらさらなく,“そうなるように数学は創られてるのだ.文句あっか(あ るか)”てな調子でやったら,なんとこれが馬鹿受け.その日の授業はチョー (超)ノリノリであった1) . 数学の基礎事項については中学校で習いますが,それらは基本公式として頭 に染み込み,普段は無意識のうちに使っていますね.ただし,「負 × 負は正」 を理解しているかと君たちに問えば,yes と答える人はまずいないでしょう. この問題は,全然理解できていない公式として,君たちの心のどこかに引っか かっ