ある日突然、身に覚えのない凶悪行為の犯人だと後ろ指をさされるようになり、否定しても否定しても、匿名の告発者が現れる。絶対にやっていない、事実無根だ、と叫べば、じゃあそれを証明してみろと冷たく突き放される。 告発をする以上、やった、ということを証明する責任は向こうにあるはずなのに。指弾する人の数は増え続け、身の危険さえも感じ始める。 一昔前なら、小説か、映画の中でしか起こりえなかったような事態だ。 今は誰もが当事者になりうる。インターネットというメディアがあるからだ。 1999年に芸人スマイリーキクチが陥ったのは、こんな悪夢のような状況だった。 『突然、僕は殺人犯にされた』は、そのスマイリーキクチが10年間の苦闘を文章にした手記だ。少しネットで検索すればすぐに判明するだろうし、この本の中でも彼が関与したとされている事件名は伏せられているので、それに倣う。 要点だけ書くと、1988年に東京都足
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