JALの再建で競争環境が歪んだとするANAは、発着枠の傾斜配分によって格差を是正すべきと主張。一方、JALはこれまで通り均等配分されるべきだと訴える。国土交通省による配分の結果次第で、両社の収益力や国際的な競争関係に変化をもたらす可能性があるだけに、航空行政の判断に注目が集まっている。 「できれば全て欲しいと申し上げている」─。ANAホールディングスの伊東信一郎社長は8日の定例会見で新たに配分される羽田の国際線発着枠について、持論を展開した。伊東社長はこれまでもJALの再建過程で生じた競争力の格差を発着枠の配分などで是正してもらいたいと主張してきた。 2011年に更生手続きが終了したJALは、12年9月に再上場。直近の13年4─6月期の営業損益ではANAが56億円の赤字に転落した一方、JALは減益ながらも220億円の黒字を確保した。業績で差がついたことに伊東社長は「彼らの収益体質ではそうだ