わたし、何にもできない 子供の頃見た”すごいひと” はみんな大人だった 人の役に立つロボットを発明したり、不治の病を治す薬を作ったり、小説を書いて賞をとったりって、そういう人はみんな私より何歳も年上だった。 だからわたしもいつか、そういうすごいことができるようになるのかなって思ってた。根拠もないのに、そう信じてた。 11才になったらホグワーツから手紙が来ると思ってたし、高校生になったらプリキュアになれるって思ってた。 「いつか」は魔法の言葉だった。 いつかって言うと実現するために必要なものも段階も全部ぼやけて、その夢がすぐ目の前にあるみたいに錯覚できるから。 気づいたらわたしは18になっていた。 もうわたしは子供なんかじゃなかった。 わたしが「いつかできるよね」なんて明後日の方向を見つめてる間に、同い年には”すごいひと”になるための努力を着々と積んできた人がいて、もうすでに結果を出してる人