「日米両政府は5日、沖縄県の米軍嘉手納基地より南の6米軍施設・区域について、次期と手順を初めて明記した返還計画を発表しました……」そんな報道を耳にして、「ほう、これで沖縄の基地負担は軽くなるな」と感じた人は多いだろう。 塾頭も一瞬そう思った。しかし新聞をよく読むと、どうひいき目に見ても「これはひどい!」といった内容だ。仲井間知事は防衛大臣など何度も足を運ぶ政府要人に対し「大変努力をしていただき感謝してます」といった挨拶をしている。しかし、これはウチナー精神の発揮で遠くから来た客人への社交辞令。 まず「いつまでに返します」とは一言もいってない。「○○年度、またはその後」という文面になっている。「借金は来月かまたはそれ以降に返しますよ」と言われれば、無期限に――というのと同じではないか。 これら南部の基地は沖縄の心臓部にあって、普天間をはじめ住宅地や道路、あるいは海岸をふさぐような形で配置され