A社の取引銀行の一つであるB信金の支店長と話をする機会があった。 今後のA社に対する対応についてだ。 A社の返済能力にも当然限界がある。 それぞれの金融機関が好き勝手に自分の希望する金額を返せと言っても限度がある。 そんなところをきちんと話し合うのが会談の目的であった。 会談自体は穏やかな話し合いに終始し、A社の社長にも納得のいくものだった。 互いに話し合いの結果を持ち帰り、後日正式回答する事を約束して散会した。 それはそれでいいのであるが、途中気になったのは相手の支店長の話し振りだ。 「B信金さんとしては、○○についてどう考えるのか」 そう尋ねたところ、「その件に関しては、本部にお伺いを立ててみないと何とも言えません」との事だった。 支店長と言えば、一つの組織のトップである。 会社で言えば社長に当たる。 人事権だってあるし、それなりの力は持っている。 もちろん、権限は無限ではないから、あ