さてここで携帯電話の基地局アンテナに話を戻したいと思います。すでに電波講座2の図4に示したように、移動通信はセル方式でサービスしています。セルの中心にあって携帯電話との間で電波をやりとりする基地局アンテナは、図23に示すように構成されています。 まず、セルを基地局から見ると水平方向に60゚~120゚とかなり広いので、アンテナの水平面内ビーム幅を広くするために、横幅は細く作ります。 次に、セルの遠いほうの端で利得を確保するために、素子を縦に多数並べて、垂直面では細いビームを形成します。この結果、アンテナの形状は図23に示したように、素子が縦に多数配列された細長い形状になり、垂直面のビーム形状は図24のようになります。 そしてこれらの素子に電波を送るための給電線路が必要であり、同軸ケーブルや誘電体基板を用いてトーナメント方式の給電系が構成されます。 こうして入出力端子に入力された電波エネルギは