窪塚洋介、彼がマーティン・スコセッシの新作映画でハリウッド俳優をもなぎ倒す名演を見せることを、誰が予想し得ただろうか。映画『沈黙』の中で原作のキチジローは見事に更新される。そして、今の時代の文脈と鮮やかにリンクするのだ。 これを快挙と呼ばずして何と呼ぼう。Martin Scorsese (マーティン・スコセッシ) がはじめて原作を読んだ時から映画化を願い続けて約30年、ここ日本でもいよいよその映画『沈黙-サイレンス-』が封切られる。小説では、Andrew Garfield (アンドリュー・ガーフィールド) 演じるパードレ (司祭) のロドリゴの目線から物語が描かれており、それは映画でも変わらない。自らの師匠である Liam Neeson (リーアム・ニーソン) 演じるフェレイラが日本で棄教したとする知らせを耳にした彼と同僚の Adam Driver (アダム・ドライバー) 演じるガルペは、