【マニラ=四倉幹木】厚生労働省の戦没者遺骨収集事業で、フィリピン人の遺骨が大量に誤って収集された疑いが指摘されている問題で、厚労省が法人類学の第一人者をフィリピンに派遣し、収集した遺骨が戦没者のものか調査を進めていることがわかった。 比政府当局者によると、厚労省が派遣したのは東京歯科大の橋本正次教授(法人類学)。1985年の日航機墜落事故や北朝鮮による拉致問題で人骨を鑑定し身元などを判断した。 戦時中に51万8千人の邦人が犠牲となった比では、厚労省が2007年に東京のNPO法人に遺骨収集の委託を始めてから収集数が飛躍的に増える一方で、地元住民から「先祖の骨が大量に盗まれ、日本人の遺骨として売られた」という訴えが出ており、日比両政府が調査している。 橋本教授は23〜29日の日程で、比ルソン島にNPO法人が集めた遺骨のサンプルを採取しているという。 厚労省外事室は橋本教授の派遣について