ローレンス・レッシグ氏の"The Future of Ideas"は、これまでインターネットについて書かれたもっとも重要な本の一つであり、情報技術を語るうえでの必読書といってもよい。それがこのほど日本語に訳され、『コモンズ:ネット上の所有権強化は技術革新を殺す』(山形浩生訳・翔泳社)として出版されたことは喜ばしい。しかし、その「訳者あとがき」で、訳者はなぜか唐突に私の実名をあげて、こう主張する: 「日本でもプライバシーを主張しすぎて住基ネットに反対するような連中がいたり、プライバシーをたてに情報公開を拒む役人がいる。だからプライバシーはまちがっている」こう主張するのは池田信夫だ。あぜーん。いやはや。レッシグもまさか自分の議論がプライバシー否定に使われるとは思っていなかっただろう(思っていなかった、と本人も言っていた)。(pp.416-7) これは事実無根である。 コラムにも書いたように、私