聖書アラビア起源説 カマール・サリービー Kamal Suleiman Salibi كمال سليمان الصليبي 広河隆一 矢島三枝子 訳 草思社 1988-12 旧約聖書の物語の舞台がパレスチナではなく、アラビア半島西部であった、という、驚天動地の説が、本書『聖書アラビア起源説』のテーマ。当然でしょうが、欧米ではセンセーションを巻き起こし、ベストセラーになったそうです。翻訳は『パレスチナ』をご紹介したジャーナリストの広河隆一氏。 「トンデモ本」かと言うと、そうではなく、地名の厳密な考証に基づいたかなり説得力のある論です。セム系の言語に馴染みがあれば、多少楽になりますが、旧約聖書の知識も相応に持ち合わせないと、なかなかついていけません。では、面白くないかというと、これらの知識が不十分だとしても、相当にエキサイティングです。少なくともわたしには、最近で最大のヒット、と言ってよいく
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