憲法記念日を前に、過日の新聞には、今から35年前の長沼訴訟判決で、「戦争を放棄した憲法のもとでは自衛隊は違憲である」と明快に断じた福島重雄氏が、その後長年の沈黙を破って、当時の日記や関係資料を近著で公開したことが報じられていました(朝日新聞2009年4月30日)。私自身も、京大法学部時代の瀧川ゼミの同窓生として、長年付き合ってきた友人ですが、この事件については直接触れることを避けてきた経緯があります。 今回、署名入りで送ってもらった『長沼事件 平賀書簡―35年目の証言』(福島=大出=水島共編著、日本評論社、2009年)を一気に読了しましたが、そこには、北海道長沼ナイキ基地訴訟における違憲判決の経過とともに、この違憲判決を回避させるために当時の札幌地裁の平賀健太所長が福島裁判官に送った「平賀書簡」が裁判官の独立に対する干渉ではないかという問題が、最高裁や国会まで巻き込む政治問題にまで拡大し、
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