日本の「ものづくり」が衰退してきているとはよく聞く。例えば日本経済発展の一つの象徴だった自動車業界も、工業化から情報化の流れで苦しくなってきている。もともと自動車は複雑なすり合わせの作業が求められるもので、エンジンからシャフトからギアから、あらゆるパーツがうまく噛み合わさるよう、綿密な調整をすることが必可欠だった。今は技術が発展して、正確な設計図に基づき、部分ごとにパーツを作って後から組み合わせれば十分な自動車ができるようになった。コンピューターと機械にまかせれば、人間が細かく調整する必要のある部分は少なくなってくる。情報化の時代へと進んで、「職人芸」的な調整は必要なくなりつつある。 それでも、情報産業の一つの主要な項目であるデジタルゲームには、まだ「職人芸」が必要とされる部分が残っているように思える。そして現状、綿密な摺り合わせと調整、日本の美徳と言われていた「職人芸」を体現している企業