なんとなく眠れないので。 亀田が、その持ちキャラとしてこれまで演じてきた「誰にでもタメ口キャラ」は、そろそろ限界に来ていた。 実際、小池環境大臣みたいな立場の人間とも会話をせねばならない位置にのぼりつめてきていたわけだし。 ところが、このテのキャラは引っ込みがつけにくい。 大臣に敬語を使ったら使ったで、 「けっ、大物相手には敬語かよ」 てなことになる。 と、破天荒恐いもの知らずキャラが一転、空威張りの飼い犬キャラに変貌してしまう。これはまずい。 といって、まさか大臣相手に 「そうやな。オレもそう思うデぇ」 みたいな口調で対応するわけにもいかない。 彼は困っていたはずだ。 その意味で、今回の敗戦は、亀田が、長年愛用してきたあのキャラを引っ込める千載一遇の機会だった。 「……正直な話、ボク自身、ボクシングを舐めていたと思います」 「今後は心機一転、ゼロからボクシングをやり直したいです」 ぐらい