3.11当時の原子力安全委員会委員長だった班目春樹氏(元東大教授)にインタビューした。直接のきっかけは、2012年11月、3.11当時を振り返った回顧録『証言 班目春樹』(新潮社)が出版されたことである。新潮社の説明によると、この本は班目氏の話を教え子である岡本孝司・東大大学院工学系研究科教授ら数人が聞いてまとめたものだ。著者は岡本教授になっている。 本を一読して、政府中枢で福島第一原発事故対応に関わったキーパーソンの証言として、非常に貴重な内容が含まれていることが分かった。当時官邸にいた人間の中で、班目教授は数少ない原子力の専門家である。そして原子力安全委員長(内閣への助言機関)という重要なポジションにいた。事故対応で、班目氏が分からなかったことは、他の官僚や政治家も分からなかったと考えることができる。 原発事故や住民避難対応の失敗について、班目氏にはバッシングに近い激しい非難が加えられ
![班目氏が認めた 原発事故対応の失敗 元原子力安全委員会委員長、班目春樹氏の証言(第1回)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/717fcb33541d1e9826742e4506f9951020a968a5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fjbpress.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F3%2F6%2F1200mw%2Fimg_36b6fec44aed9f43b84c4af60513bb419300.jpg)