環境省北海道地方環境事務所は16日、鳥獣保護法で「希少鳥獣」に指定されている絶滅危惧種のゼニガタアザラシについて、今年度中に40頭を上限に調査捕獲することを決めた。北海道沿岸でアザラシによる漁業被害が深刻化しているためで、希少鳥獣の個体数管理のための捕獲は過去に例がないという。 調査捕獲は、ゼニガタアザラシ繁殖地の北海道えりも地域で本格的な個体数管理を行う保護管理計画を策定するための事業。捕獲したアザラシは解剖して食べた魚の種類などを調べ、漁業被害との関連も分析する。 同省は同日、えりも町で「ゼニガタアザラシ保護管理検討会」(座長、羽山伸一・日本獣医生命科学大教授)を開催し、今年度は(1)漁業被害防止に向けた実験(音波による追い払いなど)(2)調査捕獲(3)頭数や被害実態などのモニタリング−−を実施することにした。 羽山座長によると、捕獲上限40頭は、1年間に増加する個体数の約2倍を目安に