先日、ベンダー選定のコンサルティングを行ったときのことである。候補となるベンダーを10社リストアップし、この10社とまずは挨拶がてら面談を実施することにした。 発注者であるユーザー企業側の社外秘資料をいくつか渡して話を進めたほうがより実のある面談になるだろうと、面談前に機密保持契約の締結をベンダー各社に依頼した。機密保持契約書のひな型はユーザー企業側で用意した。契約書の内容はごく一般的なもので、提案前の時期の機密保持契約書としては特に問題はないと考えていた。 実際9社のベンダーは、若干の文言修正程度の要望はあったが、基本的にひな型通りの機密保持契約締結に合意した。ところが残りの1社、A社だけが、「当社の用意する機密保持契約書でお願いしたい」と強行に言い張ってきた。これにはユーザー側も困惑したが、特に問題となったのは機密保持の有効期限に関してであった。 ユーザー側は5年と設定したが、A社は2