東欧のコソボ議会(定数120)は21日、モンテネグロとの国境画定協定について、批准に必要な定数の3分の2、80人ちょうどの賛成を得て可決した。欧州連合(EU)が域内へのビザなし渡航の条件としていた国境問題の解決を難産の末に果たした。協定は2015年に首脳間で合意されていた。 この日は、コソボで多数を占めるアルバニア系の中でも民族主義色が強い野党第1党「自己決定運動」が、協定は国益を損なうとして強硬に反対し、議場に催涙ガスをまいて採決を妨害。一時は議員が避難するなど混乱したが、議会は一部の同党議員を議場から締め出し、採決に成功した。 コソボは民族紛争を経て10年前にセルビアからの独立を宣言したが、セルビアとの関係正常化ができず、国連に加盟していない。今回の国境問題解決によって、国としての歩みが一歩進むことになる。EU域内へ自由に渡航できないことは経済活動の足かせとなり、市民の不満につながって