2010年03月17日掲載 3月12日、ニューデリーでは、120人ほどのHIV感染者およびエイズ患者がインド政府に対し、欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)を目的に安価な治療薬を必要とする人を犠牲にしないようにと訴える抗議デモをインド商工省の前で行った。 インド政府がFTAに調印すれば、治療薬の供給は危機的な状況に 今回のFTAに関する協議内容は安価な医薬品の普及を脅かす恐れがあるため、その影響はインドにいる患者だけでなく、インド国外の数百万人に及ぶ。インドは国境なき医師団(MSF)の全プログラムで使用されているエイズ治療薬の80%の供給元であり、実質的に途上国の薬局となっている。しかし、FTAに調印すれば、その状況も危うくなる。 「デリーHIV陽性ネットワーク(DNP+)」という団体の代表、ルーン・ガングテ氏は語る。 「私たちはインド政府が、HIVと共に生きる人びとの命を引き換えに