お笑い芸人、ヒコロヒーの連載エッセイ第50回。「今月のヒコロヒー」も要チェック! 前回の「机上でコントを作り、少し稽古をして、舞台に立つ」も読む。 どういうわけか、 私はその店を買った 一年前の今頃、たまに飲む仲である「新宿のマキさん(50歳くらい)」ら数人と共に、飲み屋から飲み屋へとひらひらと浮遊しながら酒を呷っていた日のことである。 時間が深まると共に一人、二人と帰っていき、明け方の頃には妙にアルコール強度が高いマキさんと私だけが残されており、帰ろうかと店を出たはずなのにマキさんは当然のように次の店へと向かっていくので、酔っているわりに歩くのは異常に速いその背中に向かって、もう四時ですよと、往年の毎日放送の番組名を言っているみたいになりながらも小走りで追う他なくなっていた。しばらくすると歌舞伎町のど真ん中の雑居ビルのエレベーターの中にマキさんが吸い込まれていくので、慌てて私もエレベータ

