福島第1原発1号機から放射性物質が飛散するのを防ぐため、東京電力は28日、原子炉建屋をすっぽり覆うカバーの設置に向けた作業を現地で始めた。鉄骨構造に、樹脂加工したポリエステル製シートを張った屋根と壁を備える。地震の揺れや風速25メートルにも耐えられる設計で、9月末までの完成を目指す。 1号機は水素爆発で建屋が激しく損傷。屋根、壁の穴から放射性物質を含む水蒸気や粉じんが飛散したり、雨水が建屋に入って新たな汚染水となったりする懸念がある。作業員の被曝を減らすため、敷地外であらかじめ組み立てた約60個のパーツを搬入し、大型クレーンではめ込む工法。大きさは南北約47メートル、東西約42メートル、高さ約54メートル。 損傷が激しい3、4号機でもカバーの設置を準備。約2年の使用を想定し、最終的にはひとまわり大きなコンクリートの建物で全体を覆う予定。