前回の記事に引き続き、『庶民たちの平安京』の中から面白かった点を取り上げてみます。 庶民たちの平安京 (角川選書)posted with AZlink at 2011.3.29繁田 信一 角川グループパブリッシング 売り上げランキング: 395008 Amazon.co.jp で詳細を見る この本の中で「雑色錦重任解(ぞうしきにしきのしげとうげ)」という文書(もんじょ)が紹介されています。この文書は、長保元年(西暦999年)の日付が入っており、一条天皇の治世に書かれたものです。 ここで「雑色」というのは、王朝貴族のもとで召し使われていた従者の総称です*1。また「錦重任」は、とある庶民男性の名前です。そして「解」というのは当時の上申書だそうですから「雑色錦重任解」というのは、錦重任という庶民男性が書いた嘆願書ということになります。 この文書の内容は非常に面白いのですが、内容についてはここでは