「ルポ・少年院の子どもたち」では、不定期ながら2012年の夏から茨城県の少年院「水府学院」の取材をスタートした。水府学院は2015年に施行された少年院法において、第1種少年院で社会適応課程Ⅰに指定され、標準的な教育期間は11カ月とされている少年施設である。 社会適応課程Ⅰとは、義務教育を修了した者のうち、就労上、修学上、生活環境の調整上等、社会適応上の問題がある者を対象とし、社会適応を円滑に進めるための各種の指導を行うとされている。 前回紹介した千葉県の少年院「市原学園」との違いは、市原学園が早期改善の可能性が高い者を対象とする短期処遇(6カ月以内)を行う施設であるのに対し、水府学院は長期処遇(2年以内)を行う施設という点であり、また市原学園は18~19歳を主な対象としている一方、水府学院は15~17歳を主な対象にしているという違いもある。 水府学院には関東甲信越に静岡県を加えた地域の少年