「ゲームの木」を使って交渉の本質を知る 営業や調達などの仕事をしている人は言うに及ばず、多くのビジネスパーソンにとって価格交渉は大切なスキルだ。労働の対価を決める賃金交渉も価格交渉にほかならないし、消費者として住宅・不動産や自動車などの大きな買い物をする時にも交渉の上手下手は生活の質や満足度を左右する。 価格交渉では、まず大抵の場合、買い手はできるだけ安く買いたいと考え、売り手は1円でも高く売りたいと考える。こうした状況において、ゲーム理論は何を教えてくれるだろうか。交渉によって購入価格が下がりやすい自動車販売を例にモデル化してみよう。 Q.あなたはクルマを軽自動車からミニバンに買い替えようとしている。 複数のディーラーを回り、店頭価格は200万円のあるクルマがとても気に入った。あなたは当然安く買いたい。だが、そのクルマは人気車種で、販売店はかなり強気だ。できるだけ大きな値引きを引き出すた