福島第一原子力発電所事故を起こした東京電力の経営問題を検討していた政府の第三者委員会は3日、委員会報告を野田首相に提出した。 賠償金の支払額が今後2年間で約4兆5000億円、廃炉費用が1兆1500億円と巨額となると試算し、東電は今後10年間で最大で8兆6000億円の資金不足に陥る恐れがあると指摘した。このため、国の原子力損害賠償支援機構による増資の必要性をにじませ、公的管理下で経営再建を進める方向性を示した。 東電の「経営・財務調査委員会」(下河辺和彦委員長)の報告書は、電力料金の値上げと原発の再稼働ができない最悪のケースで8兆6000億円の資金不足となり、2018年度に1兆9800億円の債務超過となる可能性があると指摘した。電気料金を10%値上げし、原発が再稼働しても約7900億円の資金が不足する。このため、支援機構からの資金援助が必要で具体策として増資、資金貸し付けなどが必要としている