女優の薬物事件による降板でスタートが延期されたが、来年1月から、明智光秀を主人公としたNHK大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』が放映される。大河ドラマが放映されると、主人公のゆかりの地には観光客が押し寄せ、経済的に潤う。それは結構なことである。しかし一方で、観光客を呼び込むため、根拠のない俗説を強調することも珍しくない。こちらは、悲劇である。 もう一つの悲劇は、本能寺の変の関連本である。プロ・アマ入り混じって関連書籍を刊行しているが、デタラメな内容のものも少なくない。すでに否定された説を壊れたカセットデッキのように、何度も繰り返し刊行されている例も見受けられる。現在、残っている史料からは、すべての黒幕説は否定されている。