アンデス山中の野生の植物に起源を持つナス科のタバコは、16世紀に喫煙の風習がイングランド、オランダに広まり、17世紀中葉までに中部ヨーロッパ全域に広まったという。日本には中部ヨーロッパより早く鉄砲伝来の頃からしばらくして入ってきたようだ。葉たばこ最大の生産地であった北米大陸では「パイプたばこ」からはじまり、独立戦争の時代に「噛みたばこ」が登場してヒットした。以後「巻きたばこ」が製造されるようになると主流になる。 日本にたばこが伝来すると、たちまち喫煙の風習が広がり、国内でもたばこの栽培が始まった。江戸時代には刻みたばこが全国に広がり、ものづくりが得意な日本人は、キセル、たばこ入れ、たばこ盆、煙草入れを帯に挟む根付などを工夫して作り出し、実に凝った細工物が珍重された。 たばこは嗜好品を越えて文化となり、芝居や浮世絵にも名脇役として不可欠となる。 明治になって紙巻タバコが外国から入ってきてやが