上記の通り、97年から翌年にかけ、確かに消費税は増えたのだが(税率がアップしたため、当然だ)、所得税と法人税は大きく落ち込んだ。結果、三大税(消費税、所得税、法人税)の合計は、1997年が41兆6752億円、1998年が37兆8655億円と、4兆円近くも減少してしまったのである。 復興予算さえまともに執行できなくなる 断っておくが、筆者は別に「増税」について、イデオロギー的に反対しているわけでも何でもない。増税することで財政健全化や「復興と成長」が本当に実現できるのであれば、むしろ率先して賛成する。 とはいえ、デフレ環境下にある国において増税を実施しても、単に民間の支出意欲や借り入れ意欲を削ぎ、GDPを削り取るだけの話だ。結果、98年の事例が示す通り、政府の税収はむしろ減り、財政は増税以前よりも悪化する羽目になる。 また、震災復興の財源を消費税増税で補おうとすると、国民の経済活動の縮小を招