ロ、労働力の再生産 遊びの社会的効用は経済学によって労働力の再生産にあることが挙げられている。やや古典的な経済学の視点であるがこの指摘は重要なものである。 日本の民俗学はハレ・ケ・ケガレという循環図の中に祭りを位置づける。祝祭の場をとおして人々は再生するという古代人の観念があったことは確かであろう。人々の再生の場としての祭り・祝祭という観念は、労働力の再生産のための遊びという近代の観念を先取りし、より根源的な形で提示しているように思われる。 以下この視点から遊びについて考えてみる。 労働力の再生産と言ってもいくつかのフェーズに分けて考えなければならない。病気の治療も労働力の再生産と言えようし、高齢者の職業能力再訓練もその様に呼ぶことができる。細かく見れば様々な労働力再生産が考えられる。しかし大局的に見れば大きく三つのフェーズが存在している。 1 短期的再生産 (日々の再生産~疲労からの回復