朝日新聞の求人欄の上に日曜に出ている「仕事力」というコラムのための取材を受けた。 その中で、「適性」とか「天職」とかいう言葉がどれほど若い人たちの労働意欲を損なっているかについて語った。 今、仕事を探している若い人たちの言う「自分の適性にあった職業」というのは、装飾を削ぎ落として言えば、「自分の手持ちの資質や能力に対していちばん高い市場価値がつけられる職業」のことである。 交換比率のいちばんいい両替機会を求めているのである。 ありていに言えばそういうことである。 そういう仕事をみなさん探している。 交換比率のいちばんいい両替機会を求めてうろうろするのは、やればわかるけれど、あまり賢いことではない。 でも、消費者マインドを刷り込まれた人たちは、「限られた持ち金でどれだけ有利な取引をするか」、費用対効果にしか興味がない。 それは大学で教えているとよくわかる。 学生たちは単位や資格や学士号の「市