陸上自衛隊の元幹部が、諜報活動に関与していたとみられるロシア大使館関係者らとの接触を確認され、警視庁公安部が元幹部の自宅を家宅捜索し、事情を聴くなどしていたことが6日、関係者への取材で分かった。 公安部は、元幹部が大使館関係者に職務上知り得た情報などを漏(ろう)洩(えい)した可能性があるとみて、自衛官の守秘を定めた自衛隊法違反の疑いなどを視野に慎重に捜査を進めている。 関係者などによると、元幹部は60代の男性で陸自の重要ポストを経て、平成21年に退官した。 元幹部は退官後、ロシア大使館関係者らと面識を持ち、接触を重ねていたとみられるという。 元幹部は大使館関係者側に対して、陸上自衛隊の戦術などについて記述された「教範」と呼ばれる冊子を譲渡した可能性がある。 公安部は、譲渡したとされる冊子の内容を確認した上で防衛省に照会を行ったが、自衛官であれば誰でも購入でき、秘密性は低いとみられるという。