体という肉の塊から逃れて、意識を仮想現実にアップロードできる世界はそう遠くないと言われている。未来学者の予測が正しければの話だが。 SFの世界がいよいよ現実になってきていると実感する昨今だが、さらに脳のデジタル化に向けて大きな飛躍があったようだ。 それはごくシンプルな動物の脳での話だが、現実世界の生き物と全く同じ振る舞いをする完全なヴァーチャルクリーチャーが誕生したのだ。 デジタル化された脳を持つ「サイバースラッグ」 先の研究で、蠕虫(ぜんちゅう)の脳の神経細胞を復元するための神経細胞が開発され、本物の動物のものと同じように振る舞うことが確認されている。 今回、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームが開発したのは、「サイバースラッグ」なるものだ。現実世界の生き物と全く同じ振る舞いをする完全なヴァーチャルクリーチャーである。 このサイバースラッグの基礎は、Pleurobranch