漁船衝突ビデオ流出事件で、神戸海上保安部(神戸市)の海上保安官(43)が警視庁の事情聴取を受けた10日、海保関係者の間には重苦しい空気が流れた。 神戸海保を管轄する第5管区海上保安本部。幹部は「まさか神戸の職員とは…。こんなことをするタイプではない。全く想像していなかった」と驚く。保安官から告白を受けた巡視艇の船長も、あまりの驚きに本人が何と言ったか、自分がどう答えたか、はっきりと覚えていないという。 神戸海保には夜までに、電話とメールが400件以上寄せられた。「頑張れ」「捕まえないで」など、ほとんどが保安官を激励する内容という。 東京・霞が関の海上保安庁。首脳級幹部の一人は記者と目を合わせようとせず、問い掛けにも口を真一文字に結んだまま。別の幹部は「一般の人が応援してくれるのはうれしいが、それと証拠の流出は別だ。ああいう映像が出たら、領海警備などに支障が出る。海上保安官として考えら