北海道内で普通に見られるウグイスが、洞爺湖に浮かぶ中島では確認できないことが道立総合研究機構・環境科学研究センターの玉田克巳主査と酪農学園大学生の研究グループの調査で分かった。営巣場所のササヤブがエゾシカに食い尽くされたのが理由とみられる。ウグイスの巣に托卵(たくらん)するツツドリも、道内では珍しい鳥ではないのにいない。鳥へのエゾシカの影響が明らかになったのは初めてだ。 中島は5万年前の火山活動による溶岩ででき、直径は3キロ近い。1957〜65年にシカ3頭が持ち込まれた後に急増。植物が大打撃を受けた。一時期より減ったが、現在も300頭余りいる。 その影響を調べるため07〜10年、繁殖期の5〜7月に調査。岸辺と中央部の遊歩道各2キロを5回ずつ歩き、左右25メートルにいる鳥を姿と鳴き声で数えた。比較のため、目立った食害がない湖の西側の湖岸と林内も調査した。 その結果、島内でウグイスを確認