「残念な翻訳書」という括りで、いつかまとめて書こうと思っていたうちの一冊である。 ダグラス・J・ハーマンの邦訳は、トンデモのアロマ漂うこの一冊しかない。 ブランスフォード、スタイン『頭の使い方がわかる本』(原題The Ideal Problem Solver: A Guide for Improving Thinking, Learning, and Creativity)みたいに心がすさむ邦題を無理やり付けられた訳ではなく、原題からして”Super Memory: A Quick-Action Program for Memory Improvement”なのだから、当人に責任の一端があるのだが(しかし「ぜったい覚える・忘れない」は明らかにミスリードだ)、本の中身はいたって地味だ。 あなたの記憶力を劇的に高める方法なりトレーニングみたいなものはまったく出てこない。 それどころか「記憶力」
![物覚えを確かに改善する、しかし記憶術の本を読む人間はまずやらない作業](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/659a2e5aa88a9c160def97d15f9b00684de8cc33/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblog-imgs-55.fc2.com%2Fr%2Fe%2Fa%2Freadingmonkey%2F2brain_biggests.jpg)