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街を歩いていると、“紳士”という言葉がよく似合う粋なおじさまに出会うことがある。 昔の白黒映画で観たような装いには、現代のビジネスマンにはあまり感じられない気品と余裕が漂っている。 こんな素敵な装いがどうして現代のビジネスマンに見られなくなったのか、そもそもスーツに帽子を組み合わせる着こなしはいつ頃から日本で主流となったのか気になったので調べることにした。 静岡県浜松市で1950年からオーダーメードスーツを作り続ける「テーラー新屋」の3代目國枝大祐さんにお話を伺った。 「昔はスーツに帽子を合わせるというより、現代の礼装のようにネクタイや帽子も含めてスーツという一つの装いであるとされていました。帽子はあくまでも寒さや暑さから身を守る生活必需品であったようです。また当時、ロンドンで出版されたエチケット本の一節には、紳士か非紳士か見分けるコツとして、訪問時の帽子の脱ぎ方が例にあげられています。そ
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