日本社会を覆っている困難な課題はいくつもあるが、根が深く今後に大きな影響を与えるテーマは「教育」「子育て」環境の問題だろう。政治が教育を弄んで教育現場を攪乱し、より悪化させてきた実例は、1999年から始まった石原慎太郎東京都知事の10年間と、2006年からの安倍内閣の1年間に尽きるだろう。 自分の意見を表明すること。これは、日本の学校教育を受ける中で、「ひとりだけ目立つ危険行為」「損になるばかりでいいことは何ひとつない」と認識する若者が育っていく。与えられた秩序に「正しく協調し、周囲と同調する人格」を時代遅れの学校教育は量産してきた。 未知の出来事や知識に対して謙虚であり、また興味・関心を持つこと。「好奇心」や「探究心」と言ってもいい態度が日本の学校教育で育つだろうか。「自分には関係ない」「それで何か得になるの」「試験に出ないことは知る必要がない」 という訳知りの「老成」は未熟で統治権力に