「このジャンルのファンは彼のヴィジュアルな豊かさを讃え、評論家は彼のテーマの密度を誉めるが、彼が同時に、たぶん何にもまして真の映画演出家であるということを強調することがあまりにしばしば忘れられているのだ。(…)登場人物たちが字義的意味でリアルではないとしても、彼らはやはりシーンの空間──デッサンによって創造されたものであろうと──のなかに住んでいるのであり、映画表現に特有の手段はやはり監督にとって原材料なのである。本書においてアニメがフレーミングの階梯の変化、カメラの移動、画面の奥行きの作用、モンタージュや音声の作業などを伴った〈ほんとうの映画〉のように扱われていると知っても驚かないでいただきたい。それはずっと前から当然のことなのだ。彼の数多くの才能のなかでも間違いなくもっとも配慮されてこなかったシネアスト宮崎という側面を理解するため、こうした演出がどのように内密に物語の組織化に関与し、か