攻撃的になるには、なんらかの原因があります。たとえば、介護者がお年寄りの自尊心を傷つけている場合や、話や考え方に行き違いがある場合などです。そのほか、体調が悪いとき、不満や怒り、不安や恐怖を感じたとき、お年寄りの記憶は過去のつらかった時代に戻り、そのときの口惜しかったことに固執して攻撃的になるようです。個々のお年寄りの状況によって、対応の方法は多少異なりますが、攻撃的になるそのエネルギーを他の方向に向けるように援助するとよいでしょう。 六五歳のF婦人は、土産物屋の女主人として働いていました。六○歳ころから、物忘れがはじまり、お金の計算ができなくなってきました。家族はF婦人に店に出ないで奥で過ごすようにと、知り合いの人につき添ってもらい、店に出さないようにしました。 F婦人は人が変わったように乱暴になって、つき添っている人や家族にあたり散らしました。家族は困って、とりあえず、開園したばかりの