矢印が好きではない。正確に言うと、矢印を用いて思考を整理することが好きではない。以前はメモ帳に「A→B」などと記入していたが、教授に怒られてやめた。ときどき思い出す。彼は私の矢印入りの研究ノートを見て、こう言った。「矢印は嫌いなんだよね。それが因果関係なのか、時系列による変化なのか、解説なのか、分からないから」確かにそうだ。 それから、私は矢印をなるべく用いずに、言葉のみで思考を語ることにしている。風景の記憶や、モノの形も言葉で言い表すように努力している。お気に入りのメモ帳の最新刊は、全て数字とテキストで埋め尽くされている。そう、テキスト。 テキストは驚くべき力と効率性をもっている。それは最も訴求力があり、最もアクセシブルなメディア形式だ。読み書きが出来れば、誰でも意味あることを表現できる。 EVAN WILLIAMS (WIRED.Vol14 p114) テキストは高い圧縮力と復元力を秘