取り調べ過程の一部をビデオで撮って、自白の任意性や信用性の立証の武器にしようという検察の動きについては、可視化への第一歩としては評価する声も(弁護士からさえも)ある(参照NEWS:取り調べの瑕疵化?)が、裁判所からさえも不十分で決定的な証拠とはいえないとの判断が示された。 毎日.jp:取調べDVD:「証拠価値を過大視できない」東京地裁 このブログでtrial:取り調べのご都合可視化が証拠になるとして取り上げた事件の判決である。 ただし、結論的には自白の任意性は認められたのであろうし、警部補の証言の信用性を支えるという形で証拠価値も認めたのであろうから、まるでリップサービスなのだが、それでも検察側には「この程度の判断にとどまるとは思わなかった。今は試行錯誤の時期だ」と、戸惑いも広がっているそうである。 この事件、被告人が例によって捜査段階で自白し、公判で否認に転じるというおきまりのパターンで