海洋資源大国は「幻」 質を見ねば国を誤る 石井 吉徳氏氏 東京大学名誉教授地球物理学者 2013年8月号 [インタビュー] by インタビュアー 岩村宏水 石井 吉徳氏 (いしい よしのり) 東京大学名誉教授地球物理学者 1955年東京大学理学部卒、帝国石油に入社。71年東大工学部に転じ、78年教授。93年に退官し名誉教授。94年から98年まで国立環境研究所副所長、所長を務めた。「地球は有限、資源は質がすべて」を信条に、低エネルギー社会への啓蒙活動を続けている。 Jiji Press ――メタンハイドレートやレアアース泥など、日本近海に眠る海洋資源が注目を集めています。その開発に成功すれば、日本は「海洋資源大国」になれるとの期待も膨らんでいます。 石井 私に言わせれば、海洋資源大国はまったくの幻想です。あるいは、政治家、官僚、企業、学者が一体となって作り上げた「神話」と言ってもいい。なぜな