読まないままに放っている本が、自室の本棚に百冊はある。 いや、ひょっとしたら数百冊を優に超えている。 机の上にも平積みで何十冊かある。 なのに、書店で興味を惹かれるタイトルの本を見つけると、それを手にレジに並んでしまう。 メルカリの「購入画面に進む」ボタンをポチってしてしまう。 そして、自室の机の上にやってきたそれらの本はパラパラとページをめくられたあと、本棚に並べられるか、机の上に山積みになっている書類や本の上にさらに積み上げられるか、のどちらかになる。 かつては読むつもりで本を買ったものだった。 読まない本を買うことに罪悪感を覚えたものだった。 けれど今は、本棚に並べたり、机の上に積み上げたりするためにこそ買っている気がする。 手の届くところに本を置いておきたい。 いつでもページを繰って言葉探しをしたい。 ただそれだけを思って本を求めている。 たとえ読まなくても本のたった一つの存在感が