オリエント急行にも匹敵する、日本初のクルーズトレインとして話題を集めているJR九州の「ななつ星」がいよいよ10月15日から営業運転を開始する。 私は9月末から10月頭にかけて九州を一周する鉄道の旅を楽しんだのだが、線路に「ななつ星」用の標識が設置されたり、博多駅に専用ラウンジがオープンしたりと、運行に向けての準備はしっかり整っているようであった。 この旅の中で、私はたくさんのJR九州の電車に乗り、また、JR九州の関係者の方々とも話をさせていただいた中で、JR九州に「ななつ星」が誕生したのは決して偶然のことではなくて、JR九州という会社に息づくDNAが必然的に生み出したものだと感じた。今回の記事では、なぜそう思ったか、私なりの「気付き」を紹介させていただきたい。 まず、大前提として認識しておきたいのはJR九州が置かれている経営環境だ。JR各社の中で比較すると、決して恵まれているほうだとは言え