広島皆実(広島)の優勝で幕を閉じた第87回全国高校サッカー選手権大会。周囲は広島皆実の優勝に驚いているかもしれない。だが、この1年間、選手権出場校のほぼすべてを取材してきた経験からすると、この結果は特別に驚くことではなかった。今大会の出場校を見渡しても、「11人でのサッカー」という観点からすると、広島皆実が一番質が高い印象だった。それで必ず優勝するとは言い切れないが、実際に大会が始まると、広島皆実とほかのチームの“違い”が明確に見えてきた。そしてその違いが優勝の要因となった。 広島皆実が持っていた違いは、同時に今大会の大きな問題点でもあった。その違いとは「クリアの質」である。そしてこれは、筆者がユース年代の取材を通じて感じている問題点でもある。 まず今大会だけで見ると、どの試合も多くの点が入り、7−0、7−1などの大差がつく試合もあった。見ている者にとっては面白い大会だったかもしれない