米国は核完全放棄を強要しない 華々しい、と言っても具体的成果に乏しい、韓国・北朝鮮首脳会談とわが日本を引き比べ、石川啄木の短歌を思い出している。 ――東海の小島の磯の白砂に、われ泣きぬれて蟹とたはむる―― 米韓と北朝鮮の関係が緊張の極にあった昨年は、安倍総理がコロンブスの卵を立てるがごとくに北朝鮮を電撃訪問。拉致問題の前進をはかるとともに、米国・北朝鮮間の緊張を緩和するイニシャティブを取る好機であった。 それに乗れなかったことで、日本はいま孤立の様相を強めている。今回韓国が北朝鮮と手を握ったことで、米韓合同軍事演習は当面、あるいは永久にあり得ないことになったし、その延長上には在韓米軍の撤退も日程に上りかねない。 トランプ米国も、この両鮮和解の基調を乱暴に破壊はできないだろう。トランプは、北朝鮮がICBM開発を止め、核廃棄を究極の目標とすると言えば、秋の中間選挙で有権者に示す「成果」として十