昔、「仕事の心得」について、ワークショップをしてくれた先輩がいた。 その最初の問いはこうだった。 『仕事とは何か。』 難しい問いだと思ったが、しばらくして、一人の同僚が言った。 『顧客にサービスを提供することです。』 すると先輩は言った。 『それは現代の「商売」の定義かな。石器時代の共同体には顧客もサービスもなかったが、仕事はあった。』 なるほど、と思った。 確かに仕事とはもうすこし範囲の広いものかもしれない。 もう一人の同僚が、それを受けて口を開いた。 『辞書的に言えば、生きるための作業、というイメージでしょうか。』 先輩は言った。 『悪くないけど、抽象的すぎる。その定義だと、食事なども含まれてしまうのでは?』 誰も正解にたどり着けず、先輩は口を開いた。 『仕事とは、課題を解決する行為だよ。これはピーター・ドラッカーの定義だ。なお彼は「労働と仕事は根本的に違う」と言っている。どういうこと